山本彩さんのことを語って最後にしようと思うーAKB48論まとめ

早いことで2014年1月1日「大島優子さんの卒業と死生観」から2015年5月31日「自己愛最強説と山本彩さんというアイドル」までのちょうど一年と6ヶ月、このブログではAKB48を通して僕なりに人生を考え、僕なりに人生を語ってきました。主に2つのことについて語っており、ひとつは生き方について、ひとつは恋とか愛とかについてです。

でも、この記事で最後にします。たぶん。

最後に登場していただくのはやはりあの方、山本彩さん。

僕がこの半年でしたヲタ活は、山本彩さんの写真集を買ったこと、山本彩さんに一票いれたこと、選抜総選挙の番組中継を途中から見たこと、NMB48の新曲『ドリアン少年』のPVを見たことくらい(48グループのPVはこの半年で10本以上出ているんじゃないかな?)で、その全てにさや姉(山本彩さんの愛称)が関わってますからね、最後はやはり語っちゃいますよね。

この記事で最後にします。いわば僕がAKB48を通してする最後の“遺言”です。この後の世界のことを僕はもはや保証できません。もともとしてないけど。

 

1 山本彩さんについて

自己愛最強説と山本彩さんというアイドル」でも書かせていただきましたが、もうちょっとあつく書く必要がありましょう。

大島優子が「仲間のため」にしてきたこと、それは"自己犠牲"だったのか?」という記事で、AKBですごいのはやっぱりこの3人だよねってことで、前田敦子さん、高橋みなみさん、大島優子さんを挙げたことがあります。山本彩さんは、この3人から後輩として非常に可愛がられていました。ここらへんのエピソードはもはや僕が書くまでもありません。

山本彩と前田敦子の関係は?前田敦子が山本彩を好きな理由とは?

NHK「AKB48 SHOW!」|たかみな総監督のお説教部屋‐山本彩‐

後継者?!信頼し合う大島優子と山本彩の仲良しエピソード!

山本彩さんはこの3人から可愛がられていただけでなく、自身が所属してるNMB48では、キャプテンであり、不動のセンターであり、さらに絶対的エースであるというひとり3役をこなし、前田敦子・たかみな・大島優子の3人をひとりにしちゃったような活躍を見せ続けてきた人なのです。ドラゴンボールでいえば、人造人間セルとか、魔人ブウみたいなもんですよ。

そう、彼女は全て持っているのです。

 

2 全てを持ちながらアイドルとしての欠陥を抱える後継者

山本彩さんは、とくに大島優子さんから可愛がられ、「大島優子の後継者」と呼ばれたりもしていました。しかし、そんな全てを持っている彼女を、大島優子さんはこう評します。

 さや姉はパフォーマンスにしても、歌などにしても、いい意味で完全にできあがっている。でも、アイドルとしてもう一段上にいきたいと望んでいるのなら、彼女に足りないのは“愛嬌”だけだと思います。(中略)さや姉はそんな武器(筆者注:愛嬌のこと)は私には必要ないっていう感じが漂っていて、それは勇ましくもあるし、頼もしいなとも思うけど、ファンの方からしたらさみしい気もするんじゃないかなって(『AKB48総選挙公式ガイドブック2014』より)。

この評価はかなり手厳しいものだと思います。さや姉にはアイドルに最も必要な“愛嬌”が欠けている、欠けているだけならまだしも自らそれを許容しない点でさや姉はアイドルとして欠陥を抱えている、そう言われたも同然だからです。

 

3 愛嬌のなさを乗り越えた先

この問題に対してさや姉はどう対処したのか。さや姉は、今年の選抜総選挙でこうスピーチしました。

「かつて大島優子さんが「票数は愛だ」とおっしゃっていましたが、愛であると同時に、私は、絆であるとも思っています」。

「票数は愛」という言葉からは、ファンからの一方的な愛に対し、メンバーは愛嬌で応える、そういう構図が浮かびます。大島優子さんが自らのことを(もちろん誇張表現だと思いますが)「自分は愛嬌だけで乗り切ってきた」と評するくらいですから、その大島優子さんから「票数は愛」という言葉が出来てたのも納得がいきます。

一方で、さや姉は、自分の素を見せたり弱さを見せたりすることが苦手だし、もちろん可愛げのある対応もできないことを自覚したうえで、ファンのみんなと一緒に成長して、手を取り合って歩んでいきたい、だから「絆」なんだ、そういう誠実で真面目な答えを導き出します。

愛は一方的だけど、絆は双方向的。たしかにアイドルとしては欠陥があるかもしれないけれど、絆があれば大丈夫、そういう気持ちにさせてくれる言葉ですよね。

 

4 総選挙のスピーチでみる山本彩さん

ここで「大島優子にとって、『センター』とは何か」でもお馴染みのヘーゲル先生のご登場です。へーゲル先生によれば、自由の欲求と承認の欲求を満たし、幸福を目指すために、意識の段階には、①競争、②自己承認、③普遍的価値の追及の3つがあるとのこと。

これをさや姉の近年の選抜総選挙におけるスピーチから読み込む(こじつける)ことが出来ないか、見てみましょう。

 

2013年、彼女は壇上で自身の悩みを吐露します。「AKB48さんの選抜メンバーの中に入って番組とかに出たときに、全然大人しい自分でしかいれなくて、ファンの方にも「山本彩はAKBの選抜に入ると借りてきた猫みたいになる」って言われて、でもそれをなかなか変えられない自分にもすごく腹が立っていた」と。「NMB48のメンバーや他のみんなもすごくギラギラしているというかガツガツしているのをすごく目の当たりにして私もこのまあじゃいけないなと思いました」。そこで、「猫かぶりはもう卒業して、野獣のように選抜の皆さんにくらいついて、そしてこれからの48グループを私がかき乱していきたいと思います」と高らかに宣言しました。これが選抜総選挙のスピーチ史に残る「さや姉の野獣宣言」です。

この頃、きっと選抜メンバーの中で小さく縮こまりながら揉まれる日々、競争の真っ只中だったのでしょう。「ギラギラ」とか「ガツガツ」といった状態を肯定的に捉え、自身を奮い立たせています。「猫かぶりは卒業して野獣のように」というくらいなので、変身願望のようなものもあったのかもしれません。

 

2014年、昨年14位から6位へと大躍進を遂げたのにもかかわらず、彼女の表情は必ずしも明るくありません。「去年の選挙のステージで、野獣になりたいと言ったんですけど、この1年間では、あまり思うように自分を出せなくってそれもすごく悔しくって」、「応援してくださってるファンのみなさんにも、…がっかりさせてしまったりしてしまったのではないかと、すごく申し訳ない気持ちもあります」。「このステージでまた何か宣言するようなことは今は正直怖い」とまで言っていますが、ふつふつと湧き上がる闘志を抑えられなかったのか、結局「小さなことからひとつひとつ有言実行をして、来年、もし選挙があれば1位は山本彩しかいないと言ってもらえるような人間になりたいなと思います」と再度宣言します。

彼女は実質的に野獣宣言の撤回をします。自分の中で競争に負けたと感じた瞬間があったのかもしれません。2014年の同じ時期、川栄李奈というAKBメンバーが、さや姉も出演するバイキングという番組の曜日違いのレギュラーとして出演していました。川栄さんはご存知の通りのおバカキャラや物怖じしない性格で結構がんがんやっていましたが、さや姉は今ひとつ自分を出し切れていない感がありました。さや姉が出ている曜日は同郷の雨上がり決死隊がMCで、宮迫さんが番組の最後にさや姉に急に一言を求めるも、さや姉は固まってしまって何も答えられないという若干放送事故気味の回もあったくらいです。番組終了後、さや姉は宮迫さんのもとに半べそをかきながら相談にいったそうです。

この事件だけではないと思いますが、そんなこんなで、さや姉はどこかで競争を降りたのだと思います。「小さなことからひとつひとつ有言実行」と言ったのは、変身願望から開放され、自己承認の段階に入ったことの証でしょう。

 

そして2015年、さや姉は格段に視野が拡がったようでした。「去年6位という順位を頂いてから、お仕事の幅がすごく広がりました。音楽番組でギターを弾かせていただいたり、色んなアーティストの方とコラボさせて頂いたり、あとはひとりで歌うCMにも出させて頂いたり、本当に私にとって成長できる1年でした」 。最近NMB48自体の知名度がまだまだ低いことを痛感したことを述べつつも、「もっと音楽の分野にも出ていって、活躍して、そして48グループの枠を広げて、私が新たな入り口になるような存在になりたいと思います」と力強い言葉で締めくくります。

もともと中学生の頃、ガールズバンドとしてデビューしていた過去をもつ(脱線しますが、子役時代の失敗という大島優子さんの過去とも重なり、これが大島優子さんと山本彩さんの芸能界に対するスタンスを形作っているといっても過言ではないでしょう)彼女にとって、音楽で身を立てるというのは原点なのかもしれません。自分には音楽がある、その原点に立ち返りつつも、それが48グループの人気に支えられていることを自覚し、自らが提供できる価値を追求する姿勢が見て取れます。

 

ヘーゲルがいう普遍的価値の追求とは他者からの批判と承認を許容することが前提のようでして、さや姉にここまでの覚悟があるのかは、2015年のスピーチからは読み取れません。

しかし、2013年、2014年、2015年と、確実に、一歩一歩、意識の階段を登っていることがわかると思います。

 

5 まとめ

つらつらと書きましたが、まぁだから何って話は正直ありまして、さや姉に関しては大島優子さんのセンター論のようなことまでは書けません。そこはぼくの力不足です。

ただ普遍的価値の追求って個人的にはすごく難しい境地なんじゃないかと感じています。だって、よりよいものを生み出すために他人からの批判をちゃんと受けとめていくんですから、よっぽどそれが好きとか何か追求したいとかがないとなかなか出来ません。何が好きとか何を追求したいとか、そんなものがない凡人にとっては到達し得ない境地なのかもしれないなんて思えたりもしてきます。

 

だから、僕がこのブログでAKBを語ってきて最後に思ったのは、兎にも角にもまずは自分の“好き”を明確にすること、これが出発点なのかなということです。

標語的に言えば「好きを知る」。「足るを知る」的な感じですな。

 

さて、みなさんはお気づきでしょうか。 僕がAKBを通して語ってきたのは、ひとつは生き方について、もうひとつは恋とか愛とかについてでした。そして生き方論について最終的にたどり着いた出発点は「好きを知る」。これって実は恋とか愛とかについて語るうえでもとても大事なものだと思うんです。というかむしろこれしかないくらい。人間は何を好きになるのか?恋ってなんなのか?自分は何を愛しているのか?恋とか愛とかってのがよくわからないのはきっと、まだまだ「好きを知る」状態に届いていないからかもしれません。

 

そんなわけで、「好きを知る」。

さらばヲタ活。さらばAKB48

 

それでは、もんもん。

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※追記(2015-09-11)

よくよく振り返ってみたら、2014年1月1日よりずっと前、2013年7月と9月にAKB48について語ってる記事がありました。結局2年間にわたってAKB48を語ってたことになりますね笑

いい機会なので、AKB関連、全てまとめちゃいます。

 

大島優子さん関連

大島優子さんの卒業と死生観

大島優子さんの言っていることが素晴らしい件

大島優子にとって、『センター』とは何か

あとがき

僕らのヲタ卒

大島優子が「仲間のため」にしてきたこと、それは"自己犠牲"だったのか?

 

指原莉乃さん関連

指原莉乃さんに学ぶ自信の持ち方

僕が指原莉乃さんを“怪物”と呼んだわけ

指原莉乃さんの考え方が僕と似すぎな件

 

山本彩さん関連

アイドルに恋するということは、きっとつらいことなのだ

自己愛最強説と山本彩さんというアイドル

山本彩さんのことを語って最後にしようと思うーAKB48論まとめ

 

④48グループ関連(カッコ内は登場人物等)

法科大学院とAKB48に、共通点なんてある?(中塚智実さん)

あきらめることの本質と展望(中塚智実さん)

僕たちの平凡な日常とAKB48に、共通点なんてある?(山田菜々さん)

今しかできないことってなんだろうね(松井珠理奈さん)

人工知能はこわい。だけど僕らにも愛という武器がある。(AKBの楽曲)

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※追記(2016-01-05)

『AKB48学』っていうタイトルのKindle本を出そうとしてやめた話にて、さらにAKB関連の続編およびそれらの目次を掲載しました。